熱中症が早くもお目見えしたかと思いきや、
五月だというに雪になった北海道だったりもした、
相変わらずに予想がしにくいというか、
とんでもないはっちゃけぶりのお天気に振り回されたGWであり。
“まま、いつものこったがな。”
いつまでも暑さが去らない秋だったり、
とんでもなく寒い冬だったり。
駆け足でやって来たかと思いきや、
それもまた帳尻合わせか
冒頭で寒かったはずの寒気を押し入れの奥から掃き出してから、
じゃあねと去ってく春だったり。
「今時は一番いい気候なんだから、
暑いの何のと言ってちゃあ、勿体ないのかも知れないな。」
陽中は確かにじりじり暑いが、木陰に入りゃあ涼しいのだ。
これが真夏だと、日陰に入ろうが蒸してたまらないのだから、
ありがたいなぁと思わねば、なんて。
グラウンド傍のベンチにおっ立てられたパラソルの下で、
データ格納用タブレット端末をお膝に、
そんなお言葉をこぼした鬼軍曹だったのへ、
「何でお前はそうやって、思わぬところでジジむさいかねぇ。」
雨上がりの温気の中、
シフト練習やらサーキットトレーニングやらの節目節目に
“だああ〜”っといちいちダラける部員らへの叱咤のつもりだったのに。
他でもないそんな彼らから そんなお声が返って来たもんだから。
「うっせぇなっ 」
小さなお膝を持ち上げると、そのままどんっと足元の地面を踏みつける。
もしかして地団駄踏んだのかな、だったら可愛いもんだよなと、
この子悪魔様にはめずらしい、幼い子供の駄々の現れ、
おおうと感じいってみたのも束の間のこと。
作動するのにわずかな間合いが要ったらしい、
このグラウンドにも芝草がある関係で設置されてるんですよの、
スプリンクラーがよっこらせという間合いを経てから動き出したらしく。
「うあっ。」
「何だ このぬるい水はよっ。」
「勘弁だ、ほら謝るから。」
冬場は使わずの久々の登板ゆえに、
土中で微妙に温められた水がまずは噴き出し、
ぬるくてやわい水を、されど勢いよく噴きかけられた面々が、
これはたまらんと飛び上がるように立ち上がり、片っ端から逃げてゆく。
「お、何だ何だ、いい気合いだな♪」
そんな彼らが向かった方からのして来たのが、
部長顧問との打ち合わせがあったらしく、遅出だった主将の葉柱で。
ここでの顛末なぞ露ほども知らないまんま、
感心感心とお顔をほころばせてまでいるのへは、
「〜〜〜〜〜っ。」
「メグねぇちゃん、笑ったらバレるって。」
何でこうも可笑しい奴らなんだろかと、
ぐぐうと息を詰まらせての、
辛抱たまらんと吹き出してしまった、
マネージャーたちのリーダーさんの笑いようとそれから。
それを制しつつも、
「お前も腹ァ押さえて笑っとるが。」
「うっさいなぁ。
あいつらとルイが悪いんじゃんか。」
新緑がどんどんと色濃くなってく頃合いで。
ニセアカシアの白い房花が、緑の中でそりゃあ目立っての愛らしい。
むさくるしい顔触れの中にあっては、
こちらさんもそれはそれは目立つクチ。
金の髪もふわふわで、色白な頬にきゅっと可憐さが集まっての、
見るからに愛らしい坊やだというに、
「ルイは遅れて来たから、3周多めにペナルティな。」
「俺のは用事があっての遅刻じゃねぇかよ。」
「うっせぇな。
重役出勤したきゃ、とっとと引退してコーチ専任に回るか?」
「う…っ。」
ダメだなありゃ
ルイさん、クチで敵うはずないもんな
舌が長くても関係ないもんな、なぞと
聞こえてんぞお前ら…な、笑える陰口があちこちで拾えてしまう、
どの辺が族上がりの凶悪最強チームなやら。
こちらも青々とした葉がしっかとつき始めているアジサイの茂みが、
長雨になる前に存分に走っておいてねと手を振った、
雨のはざまの昼下がり、いつもの一幕でございます。
〜Fine〜 13.05.20.
*平安朝のお話のほうで何度か書いて来ましたが、
昔の暦の数え方は1カ月半ほどずれていたので、
皐月というのは今なら梅雨真っ盛りの頃合い。
その間の希少な晴れ間を差して“五月晴れ”と言ったのであり。
それでいったらウサギの月になろう今時は、
想いのほか、紫外線が強うございます。
先日も
ご近所の女子大の登校時間に
たまたま同じ道を通る格好になりましたが、
黒い日傘ってまだはやってるんですね。
つか、定着したというべきか。
結構な比率で差してらしたので、
どこのマダムたちかと…。(う〜ん)
どかどか皆様、日焼け対策はお早めに。
めーるふぉーむvv 
or *

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